こんにちは!湘南クリニックデザインの鈴木です。
今回は、クリニックの開業方法の一つとして注目されている「居抜き物件」についてお話しします。
クリニックを開業するにあたって、物件選びは重要な要素の一つです。その中でも、以前のクリニックや店舗の内装・設備をそのまま活用できる「居抜き物件」は、初期費用を抑えながらスムーズに開業できる手法として人気があります。
しかし、居抜き物件にはメリットだけでなく、注意すべきポイントも多く存在します。今回は、居抜き物件を活用する際のメリット・デメリットを詳しく解説し、成功するためのポイントをご紹介します。


居抜き物件とは?

居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継いで利用できる物件のことを指します。
クリニックの場合、診療スペースや待合室、医療機器の一部が残されているケースもあり、新規でゼロから設計するよりもコストと時間を削減できる点が大きな特徴です。
もともとクリニックだった物件をそのまま利用することで、患者様にも分かりやすく、スムーズに開業しやすい利点もあります。
ただし、内装や設備が古かったり、自院の診療内容に合わなかったりする場合には、追加の改装費用がかかる可能性もあるため、慎重な検討が必要です。


居抜き物件を活用するメリット

1. 初期費用を抑えられる

新築やスケルトン物件(内装が何もない状態の物件)を一から設計・施工する場合と比較すると、居抜き物件は大幅に費用を削減できます。
特に、内装工事費用や設備導入費を抑えられるため、資金を他の部分に回すことが可能です。
また、すでに医療機器や空調設備が整っている場合は、新たに購入する必要がなく、よりコストを削減できます。

2. 開業までの期間を短縮できる

ゼロから内装工事を行う場合、設計や施工に数ヶ月かかることも珍しくありません。
しかし、居抜き物件を利用すれば、すでにある設備やレイアウトを活用できるため、最短で数週間から1〜2ヶ月程度で開業することも可能です。
早く開業できることで、固定費の負担を減らし、収益化までのスピードを速めることができます。

3. 立地の良い物件を確保しやすい

クリニック向けの好立地物件は限られており、特に人口密集地では競争が激しくなります。
居抜き物件であれば、前テナントが医療機関だった場合、すでに患者の流れができている可能性があり、新規開業でも集客しやすい点が魅力です。
また、医療モールや商業施設内のクリニック居抜き物件は、周囲の施設との相乗効果も期待できます。

4. 設備の再利用が可能

医療機器や空調設備、電気・水回りの設備がそのまま使用できる場合、大幅なコストカットが可能になります。
特に、X線室や手術室などの特殊な設備が整っている物件であれば、それらを活用することで新たな設備投資を抑えることができます。
ただし、設備の状態をしっかり確認し、必要に応じて修繕・交換を検討することが重要です。


居抜き物件を活用するデメリット

1. 設備やレイアウトの自由度が低い

すでにある設備や内装を活用する分、自由にレイアウトを変更できないことが多くなります。
例えば、診療科目が異なる場合、既存のレイアウトが使いにくかったり、患者導線が最適でなかったりする可能性があります。
必要に応じて改装が必要になるため、費用対効果をしっかりと考える必要があります。

2. 設備の劣化や故障リスクがある

前テナントが使用していた設備が老朽化している場合、修理や交換が必要になることもあります。
特に医療機器は高額なものが多く、追加費用が発生する可能性があるため、事前に専門家とともにチェックすることが大切です。

3. 物件契約時の制約が多い

居抜き物件には、貸主や前テナントとの契約内容によって、設備の撤去義務や追加費用が発生するケースもあります。
また、賃貸契約の条件によっては、退去時に原状回復を求められることもあるため、契約内容をしっかり確認することが重要です。

4. 既存のイメージが残る可能性がある

前のクリニックのイメージが強く残っている場合、新規の患者様に自院の特徴をしっかりアピールする必要があります。
看板や内装を適切に変更し、自院のコンセプトを明確に打ち出すことが重要です。


居抜き物件で成功するためのポイント

  1. 物件の状態をしっかり確認する
    設備の老朽化や修繕の必要性を事前にチェックし、予想外のコストが発生しないように注意しましょう。
  2. 契約内容を慎重に確認する
    賃貸契約の条件や原状回復義務を確認し、トラブルを防ぐことが重要です。
  3. レイアウトの最適化を考える
    必要に応じて改装を行い、診療科目に適した動線設計を取り入れましょう。
  4. ブランディングを意識する
    既存のイメージを払拭し、自院のコンセプトを明確に伝える工夫が必要です。

まとめ

居抜き物件を活用したクリニック開業は、初期費用を抑えつつ、スムーズに開業できるメリットがある一方で、レイアウトや設備の状態、契約条件などに注意が必要です。
物件選びや契約のポイントを押さえ、慎重に検討することで、コストを抑えつつ理想のクリニックを開業できます。

湘南クリニックデザインでは、クリニックのコンセプトや地域特性を考慮した、最適な物件選びとデザインプランをご提案いたします。
お気軽にご相談ください。